呪術廻戦│伏黒恵の「ふるべゆらゆら」の術式・能力を解説(八握剣異戒神将魔虚羅)
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作中、伏黒恵が「奥の手」「切り札」として

使用していた八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)。

そして呼び出す際の「布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)」の呪文。

 

渋谷事変にてバグ技のような使い方をされていましたが

実は歴代の十種影法術師たちも同じような使い方をしており

そうでもしないと扱いきれない最後の技とも言えます。

 

この記事では十種影法術の最強の式神とその使われ方

その呪文と元ネタについてをまとめています。

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目次

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伏黒恵の十種影法術とは

まず、伏黒恵は姓こそ「伏黒」ですが

禪院家の血を引いているため、禪院家相伝の生得術式である

「十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)」が使用できます。

 

これは影を媒体にして式神を召喚する術式で

名前の通り、基本的には十体の式神が存在し

それらを呼び出したり組み合わせたりすることで

戦いの場に適応します。

 

「調伏」しなければ召喚できない

最初から全ての式神を使役できるわけではありません。

「調伏」という、術者が打ち倒し従える儀式を

行わない限り、呼び出せても式神はいう事を聞きません。

 

十種影法術の場合、調伏は一人で行う必要があるそうで

強い式神を使役するには、術者自身にも

かなりの強さを要求されるというわけですね。

 

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十種影法術の十番目にして奥の手、「八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)」

よって、十種影法術は強い式神ほど

使役する難易度が高くなっていくのですが

その中でも一番強い、十番目の式神だけは

歴代の十種影法術使いの誰も調伏できたことがありません。

 

その式神が、「八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)」です。

名前が長いため単に魔虚羅と略して呼ばれることが多いです。

 

呼び出す際には他の式神と違い

布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)」の詠唱が必要です。

見た目も他の式神のような動物モチーフではなく

仁王像にも似た異形の怪物であり

背には法輪のような輪を背負っています。

 

魔虚羅の強さとは

魔虚羅はその能力を「あらゆる事象への適応」と表現されました。

 

どういうことかというと、その時その時の戦いの状況

つまり相手の技や呪術によって、常に最善の戦い方を

選択できるということです。

一度把握できてしまえば、あとはずっと相手の

弱点を突き続けることができます。

 

一度攻撃を食らうたびに背負った輪が回り

回復と相手にとって都合の悪い性質への変化をします。

 

このことは「最強の後出し虫拳」と表現されました。

 

魔虚羅の倒し方

魔虚羅のほぼ唯一と言っていい倒し方は

「初見の技で一撃必殺する」です。

 

魔虚羅は一度攻撃を食らわないと状況適応ができません。

そのために、少なくとも一度は攻撃を受けるのですね。

 

しかしそれは並大抵の強さでなし得ることではありません。

魔虚羅の右手には名前の「八握剣」の通り

退魔の効果がある剣を携えています。

 

この剣は常に正のエネルギーを纏っており

負のエネルギーである呪力やそのかたまりである呪霊に対し

とても相性の悪い(魔虚羅にとっては相性のいい)ものです。

ほとんどの呪霊はこの剣によって一撃で葬り去られてしまいます。

 

そのため、この「倒し方」そのものも

かなり強い相手でなければ実行することすら不可能でしょう。

 

魔虚羅の意外な使い方

魔虚羅を調伏できなかった歴代の呪術師たちが

魔虚羅をどのように使用してきたかというと

「調伏できないほどの強さ」を逆に利用していました。

 

調伏するためならいつでも呼び出せる

調伏できていない式神も、調伏の儀式を行うためなら

いつでも呼び出せます。

 

その際術者本人が倒さなければ調伏とはみなされず

複数人で倒してもその後使役することはできませんが

ポイントは「調伏できなくても他人を巻き込める」ということ。

 

つまり、ルール違反により試合結果はノーゲームになるのですが

試合自体は中止にならず最後まで行われるということです。

 

歴代術者の「自爆技」

そのため、魔虚羅は「倒したい相手と対峙させる」という

やり方で歴代の十種影法術師たちの切り札のように

使われてきました。

 

御三家である五条家の者でも、禪院家に魔虚羅を

召喚された戦いでは相討ちとなったそうです。

 

ただし、これまで調伏されていないゆえに

魔虚羅を呼び出してしまうと術者本人も

魔虚羅の攻撃対象に含まれてしまいます。

(実際、敵よりも術者本人の方が魔虚羅に近い位置にいる場合が多いためほぼ術者の方が先にやられます)

 

「自分も死んでいいから相手を殺す」ことを

覚悟した術者の最期の捨て身技として使用されており

魔虚羅の存在自体が、恵に

「いざというときは魔虚羅を呼び出せばいい」

(そして自分が死ねばいい)

という一種の諦観をもたらしていました。

 

魔虚羅、「布瑠部由良由良」の元ネタ

そもそも「十種影法術」は「先代旧事本紀」に登場する

天璽瑞宝十種(あまつしるしみずかからとくさ)」

通称「十種神宝(とくさのかんだから)」が元ネタです。

 

これは霊力を持った十種類の宝物のことで

この霊力は「布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)」と

神格化されています。

 

十種神宝の一つ、「八握剣(やつかのつるぎ)」

魔虚羅の元ネタは、十種神宝のうちの一つである

「八握剣(やつかのつるぎ)」と思われます。

名前に含まれているという他に、八握剣を示す

紋章は法輪と剣であり、魔虚羅の背負っている輪と

右手に持った剣によく似ています。

 

この効力は「国家の安泰」であるとされており

八握剣自体は悪霊を祓うことができる剣です。

魔虚羅の剣も同じ効果ですね。

 

布瑠部由良由良」は十種神宝の祓詞(はらえことば)から

祓詞(はらえことば)というのは、祝詞の一種で

神事の前に罪や穢れを清めるために唱えられます。

 

十種神宝を神格化し祀っている石上神宮にて

必ず奏上される祝詞であり、わが国の神社本庁にて

公式な鎮魂の祝詞としても採用されている

「十種神宝祓詞(とくさのかんだからはらえことば)」に

「布瑠部由良由良」の元ネタはあります。

 

祓詞自体はとても長いので割愛しますが、中盤に

一二三四五六七八九十(ひとふたみよいつむゆななやここのたりや)と唱へつつ」

「布留部(ふるべ)由良由良(ゆらゆら)と布留部(ふるべ)」

「かく為(なし)ては死人(まかりしひと)も生反(いきかへ)らむ」

という文言が出てきます。

 

意味としては

(この十種神宝を用いながら)一二三四五六七八九十と唱えれば死人も蘇るだろう」

と訳されることが多く

布留部由良由良と布留部」の部分には未だ適した

訳語が与えられていないのですが、おおむね

神事において神具を扱うさまを表現していると考えられています。

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まとめ

作中では呪いの王、宿儺によって退治された魔虚羅ですが

いつか恵が調伏し、使役する時が来るのでしょうか。

 

元ネタを辿れば、未だ全文の解明がなされていないほど

古い時代のものであることがわかりました。

何千年もの昔から、連綿と続いてきた言葉や神事に

ロマンを感じますね。

 

恵が魔虚羅を使役する時が来るとすれば

その時こそ「死人も生返らむ」ほどの力を身に付けていることでしょう。

 

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